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@私の易の学び方
自然摂理の理解と素直な心
易占は自然の摂理を理解する事と、素直な心を持って真摯に向かい合う事が大切です。そして、『易経』の八卦、六十四卦、各爻、及び象の理解と占術の理解が必要です。
易占いでは「当てる」と言う言葉は使いません。中庸のベストな回答を引き出す。つまり中(あ)てると言う言葉を使います。

繰り返しになりますが、易は中国の最古の時代に古代人が農耕の営みから、自然現象に気付き、そこから自然の摂理を知る方法を解き明かしました。
そして、その後、占いの書として生まれ、殷末時代に卦辞が付加され、周の時代に爻辞も付加されて周易と呼ばれました。その後、諸子百家の思想や儒教の倫理道徳の考え方を付加され、今日の『易経』と呼ばれるようになりました。その根底に流れるものは自然摂理であり、自然哲学です。易は周易と『易経』の総称名です。
易と聞けば占い(象数易)と思われている方が多いですが、哲学・人倫道徳(義理易)を含んでいます。その根底に共通して流れるのは自然の摂理であり変化の理法、そして自然哲学です。『易経』は占いを専門的に説いた書でもなく、人倫道徳(処世哲学)を専門的に説いた書でもありません。それらを一体として説いたところが英知の書と言われる所以です。この様な理由から、私は占いと哲学・道徳の両方を学ばなければ真の『易経』を学んだことにはならないのではと、私は考えて両方を学んでいます。

太極図は1年の日陰の長さの変化を表す

易と太極図
易占いを学ぶ
易占いを学びたい方は、『易経』の小成八卦と六十四卦の卦と爻、及び象の意味を学ぶことが大切になります。勿論占術も大切になります。よく読まれている書籍が加藤大岳先生の講述書『易學大講座 全八巻』(紀元書房 発行)になりますが、発行元の紀元書房は2017年5月末に閉店されていますので、古書店、Amazon、メルカリなどで調べて購入してください。加藤大岳先生は「昭和の易聖」と呼ばれる易学の大家で「大岳易」を確立された易学者です。易の占い師の方や占いに興味のある方は読まれている書籍になります。(旧仮名旧漢字づかいの書籍になります。)

加藤大岳先生の講述書『易學大講座 全八巻』
私の易占いの学びは、周易の看板を掲げる易占の先生に短期間師事しました。その時にテキストとして薦められて購入したのが『現代易占詳解』鹿島秀峰 著 (㈱神宮館 発行)でした。奥儀への道、象意のつかみ方、八卦の詳解と六十四卦の詳解について記載されています。各卦は卦辞、象伝、大象伝が記載され、次に卦の説明と判断の要諦、象意と占考、及び運勢、願望、交渉、事業から病気、人物までの判断と各爻辞とその判断が載っています。勿論、筮法も載っています。私にとっては分かり易く、使いやすい本で、今も活用しています。
その後は、WEBセミナーで周易基礎講座を受講し、併せて昔購入した加藤大岳先生の『易學大講座 全八巻』を読みました。WEBセミナーと本を同時に学んだので理解を深める事ができました。

現代の易者のイメージ
私の主な占筮は、自分の心との対話ツール
1.占筮(易占い)の心構え
易占は自然の摂理を理解する事と、素直な心を持って真摯に向かい合う事が前提
となります。『易経』はくじ引きではありません。偶然出てくる卦爻から『易経』
の経文と象を読み取りベストな行動指針を導くことになります。
・正しい易は必ず正しいアドバイスをしてくれます。
・利害関係は自己の欲が絡む為、的中しないと自覚してください。
むしろ、自己の内面の探究を行い、自分の進む道を探るには有益です。易の理解が
進むと、現在の状況と合致する卦が分かってきます。
NG:ギャンブル、投機、投資に易を使うのは不自然と考えてください
・物事を正しく判断できるように日頃から精進し研鑽しましょう。悩んで考え抜
いても解決しない時に、占筮をしてください。
・自分の易をつくりましょう。易を究めることは自己成長への道です。
・占筮で得た良い卦爻でも、努力しないと実現しないことを肝に銘じておきましょ
う。
・占筮は健康な状態で午前中の気が充実したときに行いましょう。
・占筮は一つの問いに対して、一回のみです。得卦爻は真実を現しています。何回
も行うと泥沼にはまった形になり、判断ができなくなるので要注意です。
・人の生死にかかわる事は占えません。
2.真の占筮者に近づく為の努力
・常識を持ち、視野を広く持って学び教養を身につけることです。
・素直な心(自然に則した心)で創造力、思考力、判断力を培うことです。
・理論的推理力と洞察力を養うことです。
・精神力を持続することです。(集中力が欠けると、他の事を思ったりします)
・信頼される社会人、良識人であることです。
・易を実生活で実践し、反省・内省することです。
※内省:自分の心と向き合い、自分の言動に振り返ること
3.占筮の審事
◆ビジネス活動と同じで、事前確認が必要です。来談者の情報が必要です。
・できるだけ相談者から情報を入手します。
傾聴と共感※、及び的確な質問で情報収集を行います。来談者とコミュニケーシ
ョンを深め信頼関係(ラポール)を結ぶように努力します。
・最初から自分の意見を言ったり、主張することは止めましょう。
・その人の年齢、職業、既婚か未婚か、役職、性格、時、住居、事情、そしてその人
の勢いがあるのか可能な限り確認してください。的を射た質問が重要になります。
・占筮者も相談者も心に嘘偽りがあれば中りません。
※傾聴と共感から信頼(ラポール)を築く
昔、少しでも話すことが上手になりたいと会話教室に通っていました。その先生に教えてもらったことがとても印象深かったので今でも覚えています。それは、「優秀な営業マンは、貴方たちの奥さんの様に聞き上手なんですよ。」今の世の中は競争社会なので、自分の事を優先に話したい人が多いそうです。もともと人は他人の話を聴くのがいやだそうです。しかし、今の時代だからこそ人の話は聴かないといけませんね。傾聴と共感で信頼関係が生まれ、人間関係がよくなり仕事もはかどります。人の話が聴ける人は人間力が高い人だと思います。どこの職場でも傾聴と共感が必要だと思っています。傾聴の本を紹介します。『プロカウンセラーが教える はじめての傾聴術』古宮 昇 著 ㈱ナツメ社。人間関係を大事にしたい方にお薦めです。

筮竹の数は50本で大衍の数が起源です。
大衍は天地の理を総括している数
句(こう)の3、股(こ)の4、弦(げん)の5は、中国の古代人が竿を立て影の長さを見て、農作業の時期を決める際に発見されたものです。そして、其々の2乗の和は50となります。この50の数字を「大衍(たいえん)の数と呼んでいます。時空から算出したこの数字は「天地の理」を総括しています。「大衍」の「大」は宇宙の至極、「衍」は演算の意味があります。
大衍の数は「ピタゴラスの定理」、又は「句股弦(こうこげん)の定理」とも言われています。占筮では筮竹を50本使用し、内1本を太極とし、残る49本を占筮として活用しすます。古代人が圭表の運用で経験から編み出した数は49となっており、自然の運行として模した筮法となっています。『易経』繋辞上伝(易の総論)第九章 本筮法の説明があり「大衍の数」が記載されています。


易の道具
私は筮竹で占います。筮竹の総数は50本で「天地の理」を総括していますので、私は筮竹を使っています。尚、八面サイコロを使った易占いも行われていますので、後で紹介します。※ここで紹介する道具は、全て自作しました。ブログに製作方法を掲載しています。
⑴筮竹・・・竹製の3㎜φの棒です。グリップ部分は握りやすいように細く削ってありま
す。初心の方はホームセンターやダイソーで3㎜φ×36㎝の竹ひごを購入
されて使ってみてください。尚、写真のゴールドの筮竹は、竹ひごからグリ
ップを削り塗装をして自作しました。市販されている筮竹は、30㎝、36
㎝、40㎝、45㎝のものがあります。特に多く使われているのが40㎝の
ものです。古代は、蓍(めどき)と言うマメ科・低木状多年草の蓍萩の茎を
使っていました。また、『易経』の出会いで精神開発を行ったユングは当
初、湖や沼地に生息している葦の茎を使って占筮をしていました。(ユング
が提唱した共時性は有名です)
⑵算木・・・私が使っているものは15㎜×15㎜×90㎜の角材で、陽には陽の八卦、陰
(赤か黒帯)には陰の八卦が両端に記してあります。筮竹で得た、陰陽の爻
や卦をこの算木で記録して使います。
⑶筮筒・・・筮竹を入れて立てておく筒になります。筮竹は、普段使わない時は筮竹袋に
入れて収納しておきましょう。
⑷掛肋器・・・筮竹を置く道具になります。一つ溝(携帯用・略筮法と中筮法)、二つ溝
(略筮法と中筮法)、三つ溝(本筮法)の三種類があります。
⑸筮竹収納袋・・・筮竹を収納する袋です。自作しました。
⑹占筮用敷布・・・占筮道具の下に敷く布。自作しました。
⑺算木置き・・・特に必要ありませんが、桐材を加工して、上にフエル
トを張って作りました。

筮竹

掛肋器(携帯用・略筮法/中筮法)

算木

掛肋器(略筮法・中筮法)

筮筒

掛肋器(本筮法)


筮竹収納袋
